「演劇のための和所作研究会」へ行ってきました!
Twitterで拝見し興味をもった「演劇のための和所作研究会」(大阪・北新地)を
9月30日に見学させていただきました。
これは特に役者をめざしている若手に、ぜひ伝統的な和の所作を身につけてもらいたいと
日本舞踊の先生である西川矢右衛門先生が、9月からスタートされたばかりのレッスンです。
これがとっても楽しかったので、当日の様子をおすそわけ。
日本の伝統的な所作なんて聞くと、興味はあるけれど
「難しいのでは?」
「厳しかったらどうしよう」
なんて、敷居が高く感じて尻込みしてしまう…
そんな方にこそ、ぜひ知っていただきたいと思う実に和やかな会でした。
当日のレッスンでは、「釣女(つりおんな)」という狂言を、
先生の指導のもとで生徒さんたちが、すべての役を実際に演じていきます。
「釣女」のあらすじは、定まった妻をもたない大名と太郎冠者が
西宮の恵比寿様のもとへ妻を求めて願掛けに行くというもの。
真面目すぎて何でも馬鹿正直に信じてしまう大名と
ちょっとこずるい太郎冠者の掛け合いが大変面白い狂言です。
生徒さんたちに動きをつけながら、
それぞれの仕草の意味や、扇の動かし方、台詞回しなどを
丁寧に、ときには雑談(この雑談もとても面白い!)も交えながら
教えてくださる先生。
上の写真のように、両手を袖に隠して、片方ずつ顔に寄せる仕草は
「あなたとわたし」という意味があるそう。
こういうことを知っておくと、和の舞台を見に行ってもさらに楽しめそうですね。
台詞回しの指導も興味深いことがたくさん。
掛け合いの中にも、大げさに高い声を出すことでキャラクターの性格が、
ちょっとした姿勢や動きで、身分の上下が表現されていきます。
生徒さんは中学生から年配の方までおられ、
分からないところは聞き直したり、間違って笑ったりもしながら
それでも熱心にお稽古をされています。
その雰囲気が、見ている私にも心地よく感じられました。
扇を持ちながらの演技。
扇はときに鏡になるなど、状況にあわせて自在に意味を変える重要な小道具です。
手をくるりと返して、美しく決まるとうれしそうな生徒さんたち。
手前は、西川先生のお嬢さん、矢衛春さん。
写真には写っていませんが、生徒さんの一人、中学生の男の子は歴史に興味があり、
体験してみたところすっかりはまってしまったとか。
たしかに歴史好きにも、ビビッと来るポイントがたくさん。
偶然にも江戸時代の武士が主人の前に進み出る際の動き、「膝行(しっこう)」を
目の前で教えてもらい、江戸好きの私の心は躍りました。
一見、膝を使って進むのでさぞかし膝が痛いのではと思っていましたが
実際にはそうでもないそう。
それよりも足の裏、つま先近くを使うので、そこが痛いそうです。へえ~~。
和の所作を習うことで、昔の人々の暮らしや文化がより身近になる。
そんなところも実に魅力的だと感じました。
「今の演劇は近代演劇で、感情のままに動き、話しますが、
昔の芝居はそうではありません。
決まった型があり、一つ一つの動き・仕草にも意味があります。
その宝物のようなテクニックを、ぜひ今を生きる役者志望の方に知ってほしい。
そうすればもっと演技の幅が広がるはずです」と先生。
確かに和の所作に慣れている方の演技は
時代劇や昔の映画で、私のように所作を知らない人間が見ても
やはりどこか風情が違います。
「今の時代は、秘めていても消えていってしまうだけですから拡散が大事。
私は惜しみなく何でもお教えしたいと思っています」とのこと。
しかもお稽古代は、たったのワンコイン!(500円)
いいですか、もう一度いいます。たったのワンコイン!
ぜひ興味をもった方、一度見学&体験されてみてはいかがでしょうか。
◆「演劇のための和所作研究会」
日時/土曜19:00~20:00
費用/稽古場維持費として参加ごとに500円
場所/大阪・北新地組合稽古場
持物/浴衣
参加資格/とくになし、老若男女とわず(未成年者は保護者の同意が必要です)
※西川先生のFBページへとびます。
お稽古が終わった後は、お茶を飲みながらしばしおしゃべりタイム。
お稽古の感想や近況など、お話も弾みました♪
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