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2016/04/13

浮世絵とエドワード・ゴーリーの秘密の関係?

エドワード・ゴーリー展が伊丹市立美術館で開かれていると知り、さっそく行って来ました。

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伊丹市立美術館
「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展」
2016年4月2日~5月15日



ゴーリーで最も有名なのは、絵本「うろんな客」だろうと思います。

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この絵本が出たとき書店で手にして衝撃をうけた私は、そのとき使い始めたばかりのiMacを使い、さっそくネットサーフィン(死語!)。濱中利信さん(ゴーリーグッズコレクションの第一人者)が当時は個人的に通販をされておられたのでメールを送り、ポストカードやグリーティングカード、マグカップなどを売っていただいたことがあります。
そのくらい衝撃的な「うろんさ」でした。

今も私の家にはあちこちに、ゴーリーのポストカードが飾ってあります。繊細なペン先が生み出す、独特の不安をかきたてつつもユーモアを感じさせる作品は、何度見ても見飽きません。ゴーリー自身、自分の想いはこめてはいても、それを公表することはほとんどなく、見る人の印象に任せていたというので、私も勝手にその世界を楽しんでいます。

子供のころ感じた、説明のできない不安、怖さ、あるいは理不尽な世界に対する憤りをふと思い出したり。たぶん、大人が思う以上に子供は孤独だと思うんですよね(それは家族構成がどうのという意味ではなく、人間はそもそも一人だという意味で)。
そういえばゴーリーの本は大人向けと思われがちですけど、ゴーリーは子供向けに書いたつもりだったとか。私も昔、「小学校○年生が読む本」とかいうのを押し付けられるの、嫌だったなあ。自分で読む本くらい、自分で決めさせてよ、と思っていました。いやー、マセがきですねやだやだ。

閑話休題。

さて、今回の展覧会。知らない作品もたくさんあって、またゴーリー自身のことも知ることができて、とてもうれしく時間を忘れて見て回りました。

猫が大好きだったゴーリー。

ゴーリー3

30歳からバレエにはまって、バレエを題材にした作品も残しています。

そして、一番驚いたのは、ゴーリーが日本が大好きで、源氏物語からとった名前を飼い猫に付けていたこと。「ミカド」というオペラの背景や舞台衣装も担当したそうで、いかにも外国人が描いた日本風俗といった絵も。

ゴーリー5



で、ハッと気づいたのですが、これって浮世絵を参考にしてるよね!という作品がちらほら。

ゴーリー2

はい、きた、北斎!

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猫好き、浮世絵好きとくればこの後ろ姿の自画像は・・・

ゴーリー自画像




もう国芳からとしか思えません。

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私の好きなものがつながった………っ!



なんて、こんな勝手な楽しみ方もゴーリーなら許してくれそうな気がするから、また好きになりそう。

そうそう、図録も飾っておきたくなるような素敵デザイン。
またまた財布から紙の鳥が羽ばたいていきました。グッバイマイラブ!

ゴーリー4
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2016/04/07

デラシネ通信号外で紹介されました

このたび、サーカス学を研究されている大島幹雄先生の「デラシネ通信号外」で、拙著「ゆる江戸」を取り上げていただきました。

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「デラシネ通信」というサイトを運営されている先生。この号外というのは、会員の方に送られるメルマガだと伺っています。一部を引用させていただきます。

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今日は最近読んだ本でとても感動した三冊を、紹介したいと思います。ひとりでも多くの人に読んでいただきたいという本ばかりです。
(略)
三冊目は「ゆる江戸」という雑誌。創刊号となった今回のテーマは「見世物」なのですが、これが実に中身が濃いのです。さまざまな見世物に関する文献を読み尽くし、わずか44頁の中に、多彩な見世物についてわかりやすく、あざやかにまとめています。特集2には「幕末・海を越えた芸人たち」もあります。
http://mglory55.blog.fc2.com/blog-entry-19.html
私も20部預かっております。私と顔をあわす機会がある方は一声かけてください。持参いたします。
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うれしい紹介文をありがとうございました。また、拙著を委託販売までしていただいて、大変ありがたく感謝にたえません。おかげさまで、さっそくネット販売のほうも動いております。

そもそも、大島先生は「ゆる江戸」でインタビューをお願いした、パフォーマーの山本静さんからご紹介いただきました。4月1日~2日と東京に出かけていましたが、1日はお昼から静さんにもお会いして、両国の回向院でお寺の方にお話をうかがったり、ももんじやで猪鍋定食を食べたり、そして飛鳥山でお花見をして紙の博物館へ行き、さらに「古書カフェくしゃまんべ」さん「古書ほうろう」さんへもつきそっていただくなど大変お世話になりました。両書店でも委託販売していただけることに。本が出来上がったときから、あちこちに紹介してくださっていて、私にとってはキューピットのような方です。足を向けては寝られません(笑)

大島先生はお忙しいところ、2日にお時間を作ってくださり、横浜の野毛という町の中華料理店で、おいしい餃子をごちそうになりながらお話させていただきました。以前からデラシネ通信は拝見していましたので、その先生が「ゆる江戸」を応援してくださるとのこと。前述のように講演会などで本を置いてあげるとまで仰っていただいて、大変うれしく心強く思いました。まるで目の前のドアが次々と開かれていくような不思議な思いです。
※先生のブログにも、ゆる江戸のことに少し触れていただいています。→

今日の嵐で桜は散ってしまいましたが、「ゆる江戸」はこれから春に向かっているような気がします。次号もそろそろと進めていかねばなりませんね。ぜひとも、小さな小さな生まれたてのこの本を、応援していただければ幸いです。